《[日文]人间失格 作者 太宰治》

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[日文]人间失格 作者 太宰治- 第11部分


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中で、あの貧乏くさいツネ子だけを、すきだったのですから。下宿の娘から、短歌を五十も書きつらねた長い手紙が来ました。「生きくれよ」というへんな言葉ではじまる短歌ばかり、五十でした。また、自分の病室に、看護婦たちが陽気に笑いながら撸Г婴死搐啤⒆苑证问证颏澶盲任栅盲茙ⅳ肟醋o婦もいました。自分の左肺に故障のあるのを、その病院で発見せられ、これがたいへん自分に好都合な事になり、やがて自分が自殺|幇助《ほうじょ》罪という罪名で病院から警察に連れて行かれましたが、警察では、自分を病人あつかいにしてくれて、特に保護室に収容しました。深夜、保護室の隣りの宿直室で、寝ずの番をしていた年寄りのお巡《まわ》りが、間のドアをそっとあけ、「おい!」と自分に声をかけ、「寒いだろう。こっちへ来て、あたれ」と言いました。自分は、わざとしおしおと宿直室にはいって行き、椅子に腰かけて火悚摔ⅳ郡辘蓼筏俊!袱浃悉辍⑺坤螭琅丹い筏い坤恧Α埂袱悉ぁ工长趣丹椁恕⑾ㄈ毪毪瑜Δ始殼ど欠凳陇筏蓼筏俊!袱饯长ⅳ浃悉耆饲椁趣いΔ猡韦馈贡摔洗蔚冥恕⒋螭瘶嫟à评搐蓼筏俊!袱悉袱帷⑴乳v係を結んだのは、どこだ」ほとんど裁判官の如く、もったいぶって尋ねるのでした。彼は、自分を子供とあなどり、秋の夜のつれづれに、あたかも彼自身が取眨伽沃魅韦扦猡ⅳ毪韦瑜Δ俗挨ぁ⒆苑证殁劇钉铯い坤蟆筏幛い渴鰬蛞訾饯Δ趣い甑à韦瑜Δ扦筏俊W苑证纤卦绀饯欷虿欷贰姢訾筏郡い韦驉'《こら》えるのに骨を折りました。そんなお巡りの「非公式な訊問」には、いっさい答を拒否してもかまわないのだという事は、自分も知っていましたが、しかし、秋の夜ながに興を添えるため、自分は、あくまでも神妙に、そのお巡りこそ取眨伽沃魅韦扦ⅳ盲啤⑿塘Pの軽重の決定もそのお巡りの思召《おぼしめ》し一つに在るのだ、という事を固く信じて疑わないような所謂找猡颏猡皮摔ⅳ椁铯贰⒈摔沃饯魏闷嫘膜颉ⅳ浃錅鹤悚丹护氤潭趣韦いぜ訙pな「陳述」をするのでした。「うん、それでだいたいわかった。何でも正直に答えると、わしらのほうでも、そこは手心を加える」「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」ほとんど入神の演技でした。そうして、自分のためには、何も、一つも、とくにならない力演なのです。夜が明けて、自分は署長に呼び出されました。こんどは、本式の取眨伽胜韦扦埂%丧ⅳ颏ⅳ堡啤⑹痖L室にはいったとたんに、「おう、いい男だ。これあ、お前が悪いんじゃない。こんな、いい男に産んだお前のおふくろが悪いんだ」色の浅ぁ⒋笱С訾撙郡い矢肖袱韦蓼廊簸な痖Lでした。いきなりそう言われて自分は、自分の顔の半面にべったり赤痣《あかあざ》でもあるような、みにくい不具者のような、みじめな気がしました。この柔道か剣道の選手のような署長の取眨伽稀gにあっさりしていて、あの深夜の老巡査のひそかな、執拗《しつよう》きわまる好色の「取眨佟工趣稀㈦吥啶尾瞍ⅳ辘蓼筏俊S崋枻工螭恰⑹痖Lは、検事局に送る書類をしたためながら、「からだを丈夫にしなけれゃ、いかんね。血痰《けったん》が出ているようじゃないか」と言いました。その朝、へんに咳《せき》が出て、自分は咳の出るたびに、ハンケチで口を覆っていたのですが、そのハンケチに赤い霰《あられ》が降ったみたいに血がついていたのです。けれども、それは、喉《のど》から出た血ではなく、昨夜、耳の下に出来た小さいおできをいじって、そのおできから出た血なのでした。しかし、自分は、それを言い明さないほうが、便宜な事もあるような気がふっとしたものですから、ただ、「はい」と、伏眼になり、殊勝げに答えて置きました。署長は書類を書き終えて、「起訴になるかどうか、それは検事殿がきめることだが、お前の身元引受人に、電報か電話で、きょう横浜の検事局に来てもらうように、たのんだほうがいいな。誰か、あるだろう、お前の保護者とか保証人とかいうものが」父の枺─蝿e荘に出入りしていた書画|骨董《こっとう》商の渋田という、自分たちと同郷人で、父のたいこ持ちみたいな役も勤めていたずんぐりした独身の四十男が、自分の学校の保証人になっているのを、自分は思い出しました。その男の顔が、殊に眼つきが、ヒラメに似ているというので、父はいつもその男をヒラメと呼び、自分も、そう呼びなれていました。自分は警察の電話帳を借りて、ヒラメの家の電話番号を捜し、見つかったので、ヒラメに電話して、横浜の検事局に来てくれるように頼みましたら、ヒラメは人が変ったみたいな威張った口眨恰ⅳ饯欷扦狻ⅳ趣摔埭堡皮欷蓼筏俊!袱ぁⅳ饯坞娫挋C、すぐ消毒したほうがいいぜ。何せ、血痰が出ているんだから」自分が、また保護室に引き上げてから、お巡りたちにそう言いつけている署長の大きな声が、保護室に坐っている自分の耳にまで、とどきました。お昼すぎ、自分は、細い麻繩で胴を俊椁臁ⅳ饯欷膝蕙螗趣请Lすことを許されましたが、その麻繩の端を若いお巡りが、しっかり握っていて、二人一緒に電車で横浜に向いました。けれども、自分には少しの不安も無く、あの警察の保護室も、老巡査もなつかしく、嗚呼《ああ》、自分はどうしてこうなのでしょう、罪人として俊椁欷毪取ⅳà盲皮郅盲趣筏啤ⅳ饯Δ筏皮妞盲郡曷浃沥膜い啤ⅳ饯螘rの追憶を、いま書くに当っても、本当にのびのびした楽しい気持になるのです。しかし、その時期のなつかしい[#「なつかしい」に傍点]思い出の中にも、たった一つ、冷汗三斗の、生涯わすれられぬ悲惨なしくじりがあったのです。自分は、検事局の薄暗い一室で、検事の簡単な取眨伽蚴埭堡蓼筏俊适陇纤氖畾r前後の物静かな、(もし自分が美貌だったとしても、それは謂《い》わば邪淫の美貌だったに摺いⅳ辘蓼护螭ⅳ饯螚适陇晤啢稀⒄筏っ烂病ⅳ趣扦庋预い郡い瑜Δ省⒙嚸鳏示仓k《せいひつ》の気配を持っていました)コセコセしない人柄のようでしたので、自分も全く警戒せず、ぼんやり陳述していたのですが、突然、れいの咳が出て来て、自分は袂からハンケチを出し、ふとその血を見て、この咳もまた何かの役に立つかも知れぬとあさましい駈引きの心を起し、ゴホン、ゴホンと二つばかり、おまけの贋《にせ》の咳を大袈裟《おおげさ》に附け加えて、ハンケチで口を覆ったまま検事の顔をちらと見た、間一髪、「ほんとうかい?」ものしずかな微笑でした。冷汗三斗、いいえ、いま思い出しても、きりきり舞いをしたくなります。中学時代に、あの馬鹿の竹一から、ワザ、ワザ、と言われて脊中《せなか》を突かれ、地獄に蹴落《けおと》された、その時の思い以上と言っても、決して過言では無い気持です。あれと、これと、二つ、自分の生涯に於ける演技の大失敗の記録です。検事のあんな物静かな侮蔑《ぶべつ》に遭うよりは、いっそ自分は十年の刑を言い渡されたほうが、ましだったと思う事さえ、時たまある程なのです。自分は起訴猶予になりました。けれども一向にうれしくなく、世にもみじめな気持で、検事局の控室のベンチに腰かけ、引取り人のヒラメが来るのを待っていました。背後の高い窓から夕焼けの空が見え、鴎《かもめ》が、「女」という字みたいな形で飛んでいました。[#改頁]
  第三の手記
  一
  竹一の予言の、一つは当り、一つは、はずれました。惚《ほ》れられるという、名誉で無い予言のほうは、あたりましたが、きっと偉い剑摔胜毪趣いΑ⒆8¥斡柩预稀ⅳ悉氦欷蓼筏俊W苑证稀ⅳ铯氦恕⒋謵櫎孰j誌の、無名の下手な漫画家になる事が出来ただけでした。妗畟}の事件のために、高等学校からは追放せられ、自分は、ヒラメの家の二階の、三畳の部屋で寝起きして、故郷からは月々、極めて小額の金が、それも直接に自分宛ではなく、ヒラメのところにひそかに送られて来ている様子でしたが、(しかも、それは故郷の兄たちが、父にかくして送ってくれているという形式になっていたようでした)それっきり、あとは故郷とのつながりを全然、断ち切られてしまい、そうして、ヒラメはいつも不機嫌、自分があいそ笑いをしても、笑わず、人間というものはこんなにも簡単に、それこそ手のひらをかえすが如くに変化できるものかと、あさましく、いや、むしろ滑稽に思われるくらいの、ひどい変り様で、「出ちゃいけませんよ。とにかく、出ないで下さいよ」そればかり自分に言っているのでした。ヒラメは、自分に自殺のおそれありと、にらんでいるらしく、つまり、女の後を追ってまた海へ飛び込んだりする危険があると見てとっているらしく、自分の外出を固く禁じているのでした。けれども、酒も飲めないし、煙草も吸えないし、ただ、朝から晚まで二階の三畳のこたつにもぐって、古雑誌なんか読んで阿呆同然のくらしをしている自分には、自殺の気力さえ失われていました。ヒラメの家は、大

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